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Gemini CLI提供終了 — Antigravity CLI(agy)への移行ガイド【コマンド対応表つき】

Toolsbase編集部
Gemini CLIAntigravity CLIAIコーディング移行ガイドターミナル

2026年6月18日、Googleのターミナル用AIコーディングエージェント Gemini CLI が無料・AI Pro・AI Ultraユーザー向けの提供を終了しました。後継は Antigravity CLI(コマンド名 agy です。

この記事では、Gemini CLIからAntigravity CLIへの移行を「インストール → 拡張機能の移行 → 設定・MCPの引き継ぎ → コマンドの読み替え」の順で解説します。コマンド対応表は、当サイトの Gemini CLIコマンド一覧(v0.50.0・95項目)と Antigravity CLI(agy)コマンド一覧(v1.1.0・105項目)の検証済みデータを突き合わせて作成しています。

個々のコマンドの詳しい説明・使用例が必要なときは、上記のリファレンス2ページを併用してください。本記事は Gemini CLI v0.50.0 / Antigravity CLI v1.1.0(2026年7月時点)の情報に基づいています。

1. Gemini CLI提供終了の経緯

まずタイムラインを整理します。

日付 出来事
2026-05-19 GoogleがGemini CLIをAntigravity CLIへ置き換えると発表
2026-06-18 無料・AI Pro・AI Ultraユーザー向けのGemini CLI提供終了(EOL)
2026-07-08 Antigravity CLI v1.1.0リリース(実行モード循環が一般提供、/planning/plan 改称、/fast 廃止)

注意したいのは、「Gemini CLIが完全に消えた」わけではないことです。Gemini Code Assist Standard / Enterprise の契約者向けには、v0.50.0 が継続安定版として提供されています。ただし機能追加の主軸はAntigravity CLI側に移っており、個人開発者にとっては agy への移行が実質的な選択肢になります。

2. Antigravity CLI(agy)とは

Antigravity CLIは、Googleが提供するターミナル用のAIコーディングエージェントです。マルチステップ推論・複数ファイル編集・ツール呼び出し・永続的な会話履歴をターミナルから利用できます。

Gemini CLIユーザーの視点で押さえておきたい特徴は次の4つです。

  • 対話型TUI + 非対話実行の両対応: agy で対話セッション、agy -p "prompt" で1回だけ実行して標準出力に返す(CI・スクリプト向け)
  • Gemini CLIの資産を引き継ぐ設計: 設定はGemini CLIと同じ ~/.gemini ディレクトリの配下(~/.gemini/antigravity-cli/)に置かれ、コンテキストファイル GEMINI.md はそのまま読み込まれる。拡張機能は agy plugin import gemini で変換できる
  • 権限プリセット制: ツール実行の承認は request-review(既定)/ proceed-in-sandbox / always-proceed / strict の4プリセットを /permissions で切り替える
  • Antigravity IDEとは別物: Antigravity IDEはGUIエディタ製品で、CLI(agy)はターミナルツール。この記事で扱うのはCLI側です

3. 移行手順(4ステップ)

Step 1: インストール

# macOS / Linux(実行ファイルは ~/.local/bin/agy に配置される)
curl -fsSL https://antigravity.google/cli/install.sh | bash

# Windows(PowerShell)
irm https://antigravity.google/cli/install.ps1 | iex

インストール後、agy install を実行するとPATHやシェル設定を構成できます。既存の agy / antigravity エイリアスを上書きしたくない場合は --skip-aliases、シェルプロファイルのPATHを変更したくない場合は --skip-path を付けます。

Step 2: 起動と動作確認

agy を実行すると対話型TUIセッションが始まります。以下のコマンドで環境を確認しておきましょう。

コマンド 確認できること
agy models 利用可能なモデルの一覧
agy changelog リリースノート(更新履歴)
/credits(TUI内) AIクレジットの残量・利用状況

Step 3: 拡張機能の移行

Gemini CLIで拡張機能(/extensions で管理していたもの)を使っていた場合は、専用の移行コマンドが用意されています。

agy plugin import gemini

これでGemini CLIの拡張機能がAntigravityプラグインへ変換されます。以後の管理は agy plugin list / enable / disable / uninstall で行います。TUI内の /extensions に相当する操作は、CLIサブコマンド agy plugin 側に移った、と覚えてください。

Step 4: コンテキストと設定の確認

  • GEMINI.md: 書き直し不要。agyがそのまま読み込みます。複数のAIエージェントで指示を共有したい場合は、標準フォーマットの AGENTS.md への一本化も選択肢です
  • settings.json: ~/.gemini/antigravity-cli/settings.json が新しいユーザー設定ファイルです(詳細は§5)
  • MCPサーバー: agy側の設定ファイルに定義し直します(詳細は§5)

4. コマンド対応表(Gemini CLI → agy)

対応表は両リファレンス(v0.50.0 / v1.1.0)の掲載項目に基づきます。「対応なし」はv1.1.0時点の判断です。

起動・セッション・会話

やりたいこと Gemini CLI Antigravity CLI 備考
対話セッション起動 gemini agy
非対話で1回実行 gemini -p "..." agy -p "..." agyの正式名は --print。CI・スクリプト向け
プロンプト実行後も対話継続 -i, --prompt-interactive -i, --prompt-interactive 同名
直近セッションを再開 --resume-r -c, --continue
セッションを指定して再開 --session-id / --list-sessions --conversation / /resume agyの一覧表示はTUIの /resume(別名 /switch
過去の会話を一覧・再開 /resume(別名 /chat /resume(別名 /switch, /conversation ほぼ同じ
会話の巻き戻し /rewind /rewind(別名 /undo
終了 /quit/exit /exit

モデル・実行モード

やりたいこと Gemini CLI Antigravity CLI 備考
モデル切替(TUI内) /model /model
モデル指定(起動時) --model-m --model
プランモード /plan /plan agyはv1.1.0で /planning から改称(/fast は廃止)
モードの循環切替 Shift+Tab(承認モード) Shift+Tab(default → accept-edits → plan) agyはv1.1.0で一般提供
起動時のモード指定 --approval-mode --mode agyの値は default / accept-edits / plan
全操作の自動承認 --yolo-y)/ Ctrl+Y --dangerously-skip-permissions TUI内トグルはなし。/permissionsalways-proceed で代替
サンドボックス実行 --sandbox-s --sandbox agyは settings.json の enableTerminalSandbox でも制御可

コンテキスト・ワークスペース

やりたいこと Gemini CLI Antigravity CLI 備考
ディレクトリ追加(TUI内) /directory add /add-dir
ディレクトリ追加(起動時) --include-directories --add-dir agyは繰り返し指定可
コンテキストファイル GEMINI.md(/memory で管理・/init で生成) GEMINI.md / AGENTS.md GEMINI.mdはそのまま有効/memory /init 相当のTUIコマンドはなし
画面クリア /clear または Ctrl+L Ctrl+L agyの /clear は会話コンテキストもリセットする(§6参照)
シェルコマンド実行 !<command> !<command> 例: !npm test
バックグラウンド処理の確認 /shells /tasks agyはタスクマネージャーパネルでシェル実行ログを確認

設定・管理

やりたいこと Gemini CLI Antigravity CLI 備考
設定エディタ /settings /config agyでは /settings が別名として残っているので旧名でも呼べる
テーマ変更 /theme settings.json の colorScheme 既定は terminal
外部エディタ設定 /editor settings.json の editor 既定 auto($EDITOR を参照)
認証の変更 /auth /logout → 再認証
権限の管理 /permissions(フォルダ信頼) /permissions(権限プリセット切替) 同名だが役割が異なる(§6参照)
フック管理 /hooks /hooks
MCPサーバー管理 /mcp /mcp
サブエージェント管理 /agents /agents
Agent Skills /skills /skills
拡張機能 /extensions--extensions agy plugin install / list / enable / disable 移行は agy plugin import gemini
利用状況の確認 /stats /credits agyはクレジット残量・利用状況パネル
ドキュメント表示 /docs(ブラウザで開く) /usage(オフラインマニュアル) agyの /usage は利用量ではなくマニュアル(§6参照)
バージョン情報 /about--version agy changelog リリースノートとして表示
ヘルプ /help? ?(空プロンプト時)・agy help

対応するコマンドがないもの

以下のGemini CLIコマンドには、v1.1.0時点のagyに直接の対応がありません。

  • 代替手段あり: /restore(ファイル復元専用コマンドはなし。会話ごと巻き戻す /rewind で代替)、/terminal-setup(不要。agyは Shift+Enter / Ctrl+J の改行入力に最初から対応)、--debug(ログの出力先指定は --log-file、出力量は settings.json の verbosity
  • 対応なし: /vim /copy /compress /tools /bug /privacy /upgrade /ide /setup-github--worktree --acp --output-format --screen-reader --policy --admin-policy --skip-trust

5. 設定ファイル・MCP設定の移行

agyの設定ファイルはGemini CLIと同じ ~/.gemini ディレクトリの配下にまとまっています。場所を一覧で押さえておきましょう。

項目 パス 補足
ユーザー設定 ~/.gemini/antigravity-cli/settings.json 色テーマ・権限挙動など。/config からも編集可
キーバインド ~/.gemini/antigravity-cli/keybindings.json /keybindings から編集。ファイル削除でデフォルトに戻る
MCP設定(グローバル) ~/.gemini/config/mcp_config.json 全プロジェクト共通のMCPサーバー定義
MCP設定(ワークスペース) .agents/mcp_config.json プロジェクト単位のMCPサーバー定義
コンテキスト指示 GEMINI.md / AGENTS.md GEMINI.mdはGemini CLI由来の形式をそのまま利用可

移行時のポイントは2つです。

  1. MCPサーバーは定義し直す: Gemini CLIで使っていたMCPサーバーは、グローバルなら ~/.gemini/config/mcp_config.json、プロジェクト単位なら .agents/mcp_config.json に定義します。接続状態の確認・管理はTUIの /mcp パネルで行えます
  2. ~/.gemini を丸ごと消さない: Gemini CLIを片付けるつもりで ~/.gemini ディレクトリを削除すると、その配下にあるagyの設定(antigravity-cli/config/)まで消えてしまいます

主要な settings.json キーも挙げておきます(いずれも /config の設定エディタから変更できます)。

キー 既定値 用途
toolPermission request-review ツール承認の挙動(権限プリセット)
artifactReviewPolicy asks-for-review 生成コードのレビューフロー
colorScheme terminal カラーテーマ
editor auto Ctrl+G などで起動する外部エディタ
enableTerminalSandbox false コマンドのサンドボックス実行
notifications false タスク完了時のデスクトップ通知・ベル音

6. つまずきやすい挙動差(同名・同キーの罠)

移行で実際に混乱しやすいのは「無くなったコマンド」より、名前が同じ・似ているのに挙動が変わった操作です。5つ押さえておけば大半の事故を防げます。

  1. /clear がコンテキストごと消える: Gemini CLIの /clear は画面のクリアだけでしたが、agyの /clear会話コンテキストのリセットまで行います。画面だけきれいにしたいときは Ctrl+L を使ってください
  2. /usage はマニュアルが開く: 「usage=利用量」と思って叩くと、開くのはオフラインの開発者向けマニュアルです。クレジット残量・利用状況は /credits で確認します
  3. Ctrl+R の意味が変わった: Gemini CLIでは履歴の逆方向検索でしたが、agyではアーティファクトレビューパネルが開きます。入力履歴は Up / Down でたどります(Ctrl+P / Ctrl+N も廃止)
  4. Ctrl+K は「行末まで削除」ではない: agyの Ctrl+K は承認待ちサブエージェントのファストパス承認です。Emacs風の行編集のつもりで押すと、意図せず承認操作になるので注意してください
  5. /permissions の役割が違う: Gemini CLIではフォルダの信頼管理でしたが、agyでは権限プリセット(request-review / proceed-in-sandbox / always-proceed / strict)の切り替えです

逆に、agyで新しく覚える価値があるのは次の操作です。

操作 内容
/fork(別名 /branch 現在のセッションを分岐して並行セッションを作る
/btw メインの会話を中断せずにサイド質問をする
/diff 変更ファイルのunified diffを表示
f(v1.1.0) request-reviewモードの差分プレビューで変更を個別に採否
Ctrl+Z / Ctrl+Shift+Z プロンプト編集のundo / redo
Alt+J 次の承認待ちサブエージェントへフォーカス移動

よくある質問

Gemini CLIはもう一切使えないのですか?

無料・AI Pro・AI Ultraユーザー向けの提供は2026年6月18日に終了しました。Gemini Code Assist Standard / Enterprise向けには v0.50.0 が継続安定版として提供されています。ただし機能追加の主軸はAntigravity CLIに移っているため、個人利用では agy への移行が実質的な選択肢です。

GEMINI.md は書き直す必要がありますか?

不要です。Antigravity CLIはワークスペースの GEMINI.md をそのままコンテキスト指示として読み込みます。複数のAIエージェントで指示を共有したい場合は、標準フォーマットの AGENTS.md への一本化も検討してください。

Gemini CLIの拡張機能はそのまま使えますか?

agy plugin import gemini を実行すると、Gemini CLIの拡張機能がAntigravityプラグインへ変換されます。変換後は agy plugin list で確認し、enable / disable / uninstall で管理します。

過去のGemini CLIの会話履歴は引き継げますか?

引き継ぎコマンドは提供されていません(v1.1.0時点)。agy plugin import gemini が移行するのは拡張機能のみです。agyでの会話履歴は新規に蓄積され、/resume-c, --continue で再開できます。

--yolo に相当するものはありますか?

起動時なら agy --dangerously-skip-permissions、セッション中なら /permissions で権限プリセットを always-proceed に切り替えます。いずれも安全確認が省略されるため、サンドボックス(proceed-in-sandbox プリセットや --sandbox)との併用を推奨します。

Antigravity IDEとAntigravity CLIは同じものですか?

別物です。Antigravity IDEはGUIのエディタ製品、Antigravity CLI(agy)はターミナルで動くコマンドラインツールです。本記事で扱ったのはCLI側の移行です。

まとめ

  • Gemini CLIは2026-06-18に無料・AI Pro/Ultra向け提供を終了。個人開発者の移行先は Antigravity CLI(agy
  • 移行は「インストール → agy plugin import gemini → MCP再定義」の3点が本体。GEMINI.mdはそのまま使える
  • コマンドは /model /mcp /agents など多くが同名で移行できる一方、/clear /usage /permissions Ctrl+R Ctrl+K は挙動が変わるので要注意

コマンドの全一覧・詳しい説明・使用例は、検証済みデータでメンテナンスしている以下のリファレンスを参照してください。